自発的に行う「遊び」が大事です。遊びを通して主体的にかかわる中で、人とのかかわり方、好奇心、探求心、思考力や知識の基礎が培われます。子どもの遊ぶ時間を保障し、自由な雰囲気をつくり、多様な環境を保障し、子どもが熱中して「遊びこめる環境」をつくります。遊びこむことが、小学校以降の「学びに向かう力」につながるという研究もあります。
21世紀の学校教育の中心テーマは「主体的・対話的で深い学び」であり現在では幼児期からの主体性を重視した保育が始まっています。
①主体的 人に言われてではなく、子どもが「自分からやりたい」と思えるような学び。
②対話的 いろいろな人と直接対話することで、刺激し合って新しいアイデアを出す。顔が見える対話であることが相手の思いを理解しようとし、信頼関係をつくろうとする。
③深い学び 自分の持っている知識と新しい情報が頭の中で結びついて、「わかった!」と思えたときの喜びは、自分の中の学びを深く定着させます。
子どもは子どもの中で育ちます。そこには仲間がいます。仲間は子どもの能力を引き出すためになくてはならない存在です。
人(自分以外の人)を思う気持ちが育まれるためには、最初に自分自身のことを好き、認める存在であることが大切です。そのうえで、自分が信頼している人から、存在を認められることで、自分自身の存在を肯定的に捉えることができ、それが自信に繋がっていきます。そこから、自分とそれ以外との違いを、少しずつ理解し、認めあう関係ができてきます。個が十分に認められることで、初めて集団の中で自分らしく生きられる社会性を獲得していきます。
乳幼児期は個人差も大きく、一人ひとりの多様性に応じることも大切です。そのため、集団活動であっても、個々に子どものペースや個性、やり方を尊重します。その子らしさを大切にすることが自尊心の育ちや、多様性を活かした「育ち合い」にもつながります。友達の魅力的な姿にあこがれてやってみたいなどの自らやってみようという気持ちを尊重します。
保育者は一人ひとりの「よさ」を活かそうと支えていきます。
子どもが主体であることが大事です。そのためにディスカッションを重ねます。話し合いの場で、自分の言っていることと相手の言っていることの違い、どうすればいいかを考える知恵が育まれていきます。(合意形成力)
一日の始まりと終わりに話し合う機会を設けています。その日によって内容は変わりますが、大まかには下記の中から活動します。
幼児クラスは異年齢児による縦割りクラスです。年齢の離れた子どもたちは、お互いに学びあったり、支え合ったりする中で育っていきます。同年齢の中では、モデルを示せる子どもがあまりいない場合もありますが、その時にはだれかかが指示を出さなければいけません。しかし、異年齢の子どもの遊び集団であれば、上の子は下の子を援助できます。サポートがない時でも、下の子はまねしながら、いつの間にか身に付けることができます。自然とそこに学びが生まれます。
内面的にも上の子は、人のためになっている満足感が生まれ、下の子は、頼る人がいる安心感が生まれます。その関係性がお互いにメリットをもたらします。
わかっていない子にわかっている子が教え、わからない時にはわかっている人に聞いてみることが起こる。上手に教えるためには、教え方を考えなければいけない。人に教えると教える方も育ちます。子どもどうし、子どもは、育ち合っていきます。
年長児になると各異年齢クラスの5歳児が集まり、かもめ組の活動が活発になってきます。自分たちがやりたい活動をみんなで達成する喜びや、過去の経験に基づいて苦手なものを乗り越えたりすることで自分を認める気持ちが育ってきます。
~保育者、保護者の共通理解を深めます~
子どもの資質、能力を育てていくためには、あらゆる場面での豊かな経験が何よりも大事なことです。その経験を「可視化」(ドキュメンテーション)することで、子どもたちが「やったこと」より「何を学んでいるのか」の視点でお伝えしていきます。
保育は小学校以上のような教科はありませんが、自発的な遊びや生活を通して、幼児期の終わりまでに育てたい「10の姿」を育てることになっています。園では子どもの遊びを通して「10の姿」を通した育ちを振り返り、子どもの豊かな経験を保障するためにその都度計画を再構成していきます。