乳児の基本的な生活(食事、睡眠、排泄、など)は、生命の維持と心身の成長過程に欠かせないことであり、それらの生理的欲求(食べること、眠ることなど)が満たされることで、健康で快く過ごすことができます。そのために、保護者の方と協力しながら規則正しい生活リズムを作っていきます。
集団の中で一人ひとりの違いを認め、特定の大人が継続的に(食事・排泄・着脱など)生活面のお世話をすることで、子どもとの間に愛着関係を築きます。愛着が形成されると、それを土台にして子どもは、人に対する基本的信頼を獲得していきます。「緩やかな」という意味は、「担当」は生活面のお世話が中心で、遊びは担当にこだわらず、子どもの興味・関心に従って保育します。
食事
ひとりひとりの発達機能を考えながら、食事をすすめていきます。初めは大人の膝からのひとり食べから、歩行も自立し、上半身が安定して座っていられるようになった頃に椅子に降ろします。 |
睡眠
個々にベッドやコットを用意しています。眠りの空間は、眠っている子が遊んでいる子に邪魔されることがないように、一人ひとりの木製ベッドで眠っています。原則として一年間眠る場所を同じにすることで安心して眠ることができます。 |
排泄
おむつ交換の場面は、大人と子どもが1対1でかかわることができ、親密な関係をつくる場として、大切にしています。子どもと目を合わせ、ゆっくりとした雰囲気の中で接する育児の場でもあります。 |
着脱
着脱時に大人がする行為について、その行為の前「ボタンはずすね」と言葉を添えていくことで、「今、自分が何をしているのか」「何をされようとしているのか」が理解できるようになります。いつも決まった場所・決まった方法で行うことは、やがて子どもが自分でできるようになったときに、見通しをもって行動できるようになります。 |
家庭と同じようなぬくもりの中で、子どもが体を動かしたい欲求を、目的をもって、十分満足いくまで動かすことができる空間づくりを心がけています。そのため子どもが移動した先に遊具が置かれていたり、壁面に遊べる遊具をつけるなどの工夫をしています。
手の運動を中心とした活動で、肩から腕、手、指を動かし器用さを発達させていきます。
入れたり出したりする遊び(1)
さまざまな道具に触れる中で、その感触を味わったり、大きさや量、色や形を知ったり、互いの関係を学んだりしながら、何よりその性質に合った手先の器用さを身につけようとします。 |
入れたり出したりする遊び(2)
指先の細かい発達と、仕組みの理解力、集中力、記憶力、思考力を育てます。 |
積んだり、並べたりする遊び(1)
手先の器用さが育ち、高い低い、長い短い、大きい小さいなどの量を認識していきます。上半身を自由に動かせるようになり、手を使う遊びも増えてきます。それに伴って肩、腕、手、指の機能が発達していきます。視線を自分の手元に集中し、目と手の協調動作に連動しています。 |
積んだり、並べたりする遊び(2)
並べるという行為を通して、秩序あるものの美しさに気付きます。 |
這う・つかまり立つ・歩き始めるなどの身体的機能の発達の幅が広いので、一人ひとりの発達を保障できる空間と場所・遊具を工夫しています。
つかまり立ち、つたい歩き
つかまり立ち、つたい歩きを繰り返すうちに、足の筋力、バランス感覚が発達します。壁面遊具は立ったまま集中して遊ぶことで楽しいつかまり立ちにつながります。 |
箱を押し歩く
押す、引く、方向転換(空間知覚)重心移動により、両手両足が交互に前に出る歩行の練習になります。 |
またがる
体のバランスをとり、足を開いてまたぐ。膝の屈伸や片側に重心をかけたりして足を体で支えることを助けます。 |
這う
小さなトンネルをくぐることで空間の知覚を助けます。また、段差を登り、背筋、腹筋を育て、斜面を登ることで掌が開いて体を支えます。 |